偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~
「早く…入れよ」
「お邪魔します」
ブーツを脱ぎ、栗原さんが出してくれたスリッパを履いた。
「今夜から一緒に住むんだろ?」
「はい」
栗原さんの質問に私では判断に困り、稜真さんの方を見る。
「…いや…今夜は…ウチで今後のコトに付いて話し合うだけだ。奈那子は泊まらない」
「そうか・・・」
リビングの向こうはキッチンルーム。
キッチンからはロールキャベツのいい香りが漂っていた。
「地道を送って行くなら…ビールは飲めないな」
「そうだな・・・」
稜真さんと私と食卓の椅子に座った。
「引っ越しは今週末でいいよな」
「はい・・・」
「偽装結婚とは言え…結婚式も挙げたし…二人で本物の夫婦になれば?」
栗原さんは冗談めかしに言いながら、スープ皿に盛り付けられたロールキャベツを出す。
「それは…無理だ」
「ふうん」
栗原さんは稜真さんの返事を鼻で笑い、キッチンにリターンした。
無理・・・
稜真さんの言葉が胸に突き刺さり、息が苦しくなる。
彼の本気のような言動にドキドキさせられるが、その言葉に微塵もキモチがないんだと悟る。
「お邪魔します」
ブーツを脱ぎ、栗原さんが出してくれたスリッパを履いた。
「今夜から一緒に住むんだろ?」
「はい」
栗原さんの質問に私では判断に困り、稜真さんの方を見る。
「…いや…今夜は…ウチで今後のコトに付いて話し合うだけだ。奈那子は泊まらない」
「そうか・・・」
リビングの向こうはキッチンルーム。
キッチンからはロールキャベツのいい香りが漂っていた。
「地道を送って行くなら…ビールは飲めないな」
「そうだな・・・」
稜真さんと私と食卓の椅子に座った。
「引っ越しは今週末でいいよな」
「はい・・・」
「偽装結婚とは言え…結婚式も挙げたし…二人で本物の夫婦になれば?」
栗原さんは冗談めかしに言いながら、スープ皿に盛り付けられたロールキャベツを出す。
「それは…無理だ」
「ふうん」
栗原さんは稜真さんの返事を鼻で笑い、キッチンにリターンした。
無理・・・
稜真さんの言葉が胸に突き刺さり、息が苦しくなる。
彼の本気のような言動にドキドキさせられるが、その言葉に微塵もキモチがないんだと悟る。