偽装シンデレラ～続きはオフィスの外で～

「お前の口に合うか判らないけど…ロールキャベツ食えよ」

「はい。頂きます」

私はナイフとフォークを持ち、綺麗に巻かれたロールキャベツを切る。

切ったロールキャベツから出る肉汁が食欲をそそった。トマト風味で口内に酸味のきいた味が広がる。

「美味いか？」

「おいしい…栗原さんって料理上手ですね」

「俺は純名さんがくれたレシピノート参考に作っただけだ」

｢じゃこの味は濱部家の味？」

「味と言うか…コイツのは母さんに比べて煮込みが足りないし、愛情だって足りない」


「お前…俺の愛が欲しいのか？」

「いらねぇよ」

｢なら、そんなコト言うなっ！」

栗原さんは稜真さんにお茶碗山盛りのご飯を出す。

「サンキュー」

「地道さんはどれぐらいご飯食べる？」

「私はお茶碗半分で」

「わかった」