偽装シンデレラ~キスの続きはオフィスの外で~

奈那子sideー

駅西口19時…

濱部社長の強引な食事の誘い。
「寒い」

私は首に巻いていたマフラーを巻き直して白い息を吐く。

クリスマスまで2週間ーーー・・・

「悪い悪い」

香取君に訊くと濱部社長は外出。
そのまま直帰と言っていた。

このまま待ちぼうけをさせられると思ったが、彼は5分遅れて私の元に走り込んで来た。

「俺が誘ったのに、遅刻とは悪いコトをしてしまった」

「香取君に部長は外出したと訊いていましたし、私に悪いと思う必要ありませんよ。部長」

「そっか・・・」

濱部部長は白い息を吐きながら安堵の笑みを浮かべる。

「イタリアンと言ったが…俺の行きつけの店は今夜二次会で貸し切りになっていて・・・」

濱部部長はスマホを取り出し、店を探し始める。

「何処でも構いませんよ。濱部部長」

「そ、そっか…」

微妙に落ち着きのないの濱部部長の態度に首を傾げた。

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