偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~
私は胸板を叩いて抵抗するが酔ってるクセに彼の力は強く、ビクともしない。

「稜真さん…」

「柚希さんなんかにお前を渡したくない!!奈那子お前は俺のモノだ!!」

稜真さんは絶叫して、私の唇に唇を強引に押し付けた。ウィスキーの香しい匂いに酔わされる。

私も稜真さんがスキ…スキ…ダイスキ!!


好きな人の体温を感じて、否応なしにカラダは熱く不埒な気分になっていく。

私もスキだと自覚した時から…ずっと稜真さんのコトが欲しかった。


貴方にこのまま抱かれたいーーー・・・


稜真さんは鬱陶しそうにネクタイを乱暴に解き、シャツのボタンを外した。

私達は直に互いの肌に触れ合う。




彼に触れられ、甘い感覚に溺れた。

堪えていた声がポツリと甘い吐息と共に漏れる。
「堪えるな…もっと聞かせてくれ」
Hの時も意地悪な性格は変わっていないようだ。でも、甘い囁きは何度もくれた。

「愛してる…俺はお前を愛してる…」と



私達は偽装の夫婦ではなく、本物の夫婦となった気がした。

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