偽装シンデレラ~キスの続きはオフィスの外で~
父さんと向かい合わせに腰を下ろす。

「新婚生活はどうだ?」

「どうって言われても…まだまだ実感ないよ」

俺と奈那子が同居を始めて初めての休日。

「そうか・・・」

「お口に合うか判らないけど…どうぞ」

母さんが大理石のテーブルに手作りの切り分けられ、小皿に盛られたアップルパイとコーヒーを置かれた。

「母さんのアップルパイ食べるの…久しぶりだな」

「今夜の夕食は稜真のスキなロールキャベツだから・・・」

「マジで?嬉しい」

母さんは父さんの隣に腰を下ろした。


俺はアップルパイを一口で食べてしまった。

「うまっ」

「一口食べるヤツがあるか…もう少し味わって食べなさい。稜真」
父さんが俺を睨み、注意する。
奈那子はクスッと笑った。

「奈那子も美味いだろ?」
「うん」
奈那子も上品に少しずつフォークで切り分けながら食べていた。

「母さん…アップルパイまだある?」

「あるわよ」

「じゃおかわり!奈那子もおかわりしたかったら言えよ」

「うん」







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