偽装シンデレラ～続きはオフィスの外で～

「それよりも…私服…もう少し…考えた方がいいぞ」

総務部とは違い、秘書は私服のスーツが原則。
今日のファッションは防寒を重視したアンゴラのピンクのセーターに黒の膝下のウールのフレアスカート。
足許もスカート同じ黒タイツ。

自分で点を付けるなら４０点と赤点スレスレ。


「俺のスーツはどう？」

稜真さんは自分のファッションチェックもして欲しいのか襟元の埃を払い、ポーズを取る。

「どうと言われても…」

「５０点」

栗原さんがコーヒーマシンを持って戻って来た。

「５０点？？その採点内容は？」

「地味。もう少し明るめのネクタイと色目の目立つシャツを着ろっ」
栗原さんの容赦のない毒を含んだ言葉に稜真さんは凹んだ。

「地道さん君は３０点。秘書はスーツが原則、そのダサい黒縁眼鏡はやめるべきだ」

稜真さんよりも栗原さんの点数は低く、私のファッション評価は赤点となった。