偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~
「貴方と稜真君の結婚が偽装だってコト。その弱みに付け込んで柚希が貴方を脅してるコトも。柚希には止めるように言ったけど…柚希は貴方がスキだと譲らない」

「・・・」

「柚希が貴方をスキだと言う理由は貴方が亡くなられた彩名ちゃんに似てるから・・・」

「私は・・・」

「貴方と稜真君の関係が偽装結婚なら…柚希と結婚して欲しいの」

早祐社長は私に柚希さんとの結婚を迫った。

「それが母としての願い。柚希は心臓病で苦しむ彩名ちゃんのカラダを治したくて医者を志した。でも、彩名ちゃんは亡くなってしまった。それからの柚希はも生きる目標すらも失ってしまった。それでも…必死に生きていた彩名ちゃんの姿を思い出し、生きた。でも、生きた屍の柚希が選んだ道は医官の道だった」


早祐社長は瞳涙を潤ませて語り継いだ。


「昔と違って自衛隊の役目も多様化している。医官とは言え、海外派遣の任に就けば…派遣先は紛争地域のぼっ発して危険な場所ばかり…命の保証は100%保障出来ない。柚希は自ら命を絶ちきれないから…死に場所を求めて…危険を買って出ている」


「でも、柚希さんは退官して、今は普通の医者として…私の妹の主治医に」

「退官に追い込んだのは私の父親。父親は今の自衛隊の背負うリスクを懸念したの。相馬家本家の後継者を盾にね。今度は病院を退職して…医療や人道支援行っているNPO法人に参加して中央アフリカ行くと言ってね。
貴方は柚希のコトをどう思ってるの?もし、少しでも好意を寄せているなら…柚希と…柚希も世帯を持てば、考えが変わると思うの・・・」



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