偽装シンデレラ~キスの続きはオフィスの外で~
店には誰も来なかった。


TO奈那子
――――――

了解!!

―――――――

FROM稜真


稜真さんは返信メールを読み、罪悪感で苛む。

彼は私が嘘を付いているコトを知らない。

ドアが開いた。

「いらしゃいませ」

私はカウンター越しに笑顔でお客様を迎え入れる。

「ただいま・・・」

「柚希…さん?ママは?」

「ママは?」

「やっぱりママはインフルエンザだった。一晩…ウチの病院で入院させるコトにしたから…」

「病院嫌いのママを一人で置いて来たの?」

「ママにカノンちゃんの様子を見て来てくれと言われたんだよ」

「どうして?」

「さあね。カノンちゃん一人で店を任せられなかったのかな?」

「それって…ママが私のコトを頼りないと思ってるの?」

「ママに直接訊いてみれば?」

「そんなコト訊けないわ」



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