偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~

奈那子side-

「私は…」

稜真さんは私のキモチも同じだと決めつけた。

「俺達…もう別れた方がいいかもな」

「稜真…さん!?」

彼が私を偽装結婚の相手に選んだ理由が脳裏を掠める。


―――――――『離婚する時は円満に別れたい』


私は黙って彼の言葉を受け入れるしかないのだ。

「わかりました。今日中に荷物をまとめて出て行きます」

「部屋を出て柚希さんの所に行くのか?」

別れを切り出したのは稜真さんのクセに、彼の嫉妬めいた口調に心が揺れる。


「別れを切り出したのは稜真さんでしょ?」

「それは・・・」

稜真さんの瞳は宙を彷徨う。


ブブブ・・・

稜真さんの手に持っていたスマホがチカチカ光ってバイブする。

稜真さんはスマホを耳に当てた。


「もしもし…柾貴か・・・」

通話の相手は栗原さん。
私はそのまま部屋へと足を運んでゲストルームに入り、荷物をまとめた。



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