偽装シンデレラ~キスの続きはオフィスの外で~

稜真side-

「俺は忙しいんだ。用事は手短にな」

俺は忙しい柾貴を営業部フロアに呼び出し、ミーティングルームに連れ込んだ。

「俺…地道と結婚する」

「何?俺のアドバイス実行したのか?」

「ああ」

「地道さんもお前に惚れていたのか?」

「いいや、相変わらず彼女はクールな反応だったから…クビを盾に迫った」

「汚いやり方だな」

「婆ちゃんの見合い話をブロックする為。手段は選んでられない」

「で、偽装結婚してその先はどうするんだ?」


柾貴の質問に答えたいが、結婚後の話は具体的に考えていない。


「頃合いを見て離婚するつもりだけど」
それだけはハッキリしている。

「そのまま…地道さんと幸せな家庭を築けばいいだろ?」


「俺はまだ…」

俺は言葉尻を濁した。

「俺には関係無いコトだけど…離婚前提の結婚だし、お祝いは出さないからな。稜真」

「俺は入籍だけで済ませるつもりだ。挙式披露宴はしないから…安心しろ」

「俺は仕事に戻る」

柾貴は眼鏡をフレームを弄りながら先に出て行った。



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