偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~
「ただいま」
父さんと母さんに結婚報告の為、久し振りに田園調布にある自宅に立ち寄った。
「お帰り、稜真」
俺を出迎えたくれたのは母の濱部純名(ハマベジュンナ)
社交的な婆ちゃんとは正反対の内向的な性格。父さんとの馴れ初めは社内恋愛。父さんの社長就任時には秘書となり、妊娠を機に退職して今は専業主婦。
「訊いたわよ。結婚するんだって」
俺の口から話そうと思ったのに、既に婆ちゃんが母さんに話していた。余計な真似を。
「相手は総務課の女子社員って訊いたけど」
「そうだよ。地道奈那子。俺とは同期の社員だ」
俺は母さんと喋りながら家の奥に入って行く。
「今でも俺の部屋残ってる?」
俺は就職を機に家を出て、社屋の近くにマンションを借りた。
「残ってるわよ」
「そう」
リビングに続くキッチンからは美味そうな匂いが漂っていた。
「この匂いはロールキャベツ?」
「そうよ。今夜のメニューは稜真の好きなロールキャベツ…食べる?」
「うん」
俺は食卓の椅子を引いて座り、キッチンに戻った母さんを待つ。
「稜真も結婚か…」
「本当はしたくないんだけど・・・」
「えっ?」
鍋に入ったロールキャベツを温める母さんが俺の独り言に反応して振り返る。
「こっちの話」
俺が奈那子と本当にしたいのは…恋愛・・・?
父さんと母さんに結婚報告の為、久し振りに田園調布にある自宅に立ち寄った。
「お帰り、稜真」
俺を出迎えたくれたのは母の濱部純名(ハマベジュンナ)
社交的な婆ちゃんとは正反対の内向的な性格。父さんとの馴れ初めは社内恋愛。父さんの社長就任時には秘書となり、妊娠を機に退職して今は専業主婦。
「訊いたわよ。結婚するんだって」
俺の口から話そうと思ったのに、既に婆ちゃんが母さんに話していた。余計な真似を。
「相手は総務課の女子社員って訊いたけど」
「そうだよ。地道奈那子。俺とは同期の社員だ」
俺は母さんと喋りながら家の奥に入って行く。
「今でも俺の部屋残ってる?」
俺は就職を機に家を出て、社屋の近くにマンションを借りた。
「残ってるわよ」
「そう」
リビングに続くキッチンからは美味そうな匂いが漂っていた。
「この匂いはロールキャベツ?」
「そうよ。今夜のメニューは稜真の好きなロールキャベツ…食べる?」
「うん」
俺は食卓の椅子を引いて座り、キッチンに戻った母さんを待つ。
「稜真も結婚か…」
「本当はしたくないんだけど・・・」
「えっ?」
鍋に入ったロールキャベツを温める母さんが俺の独り言に反応して振り返る。
「こっちの話」
俺が奈那子と本当にしたいのは…恋愛・・・?