偽装シンデレラ~キスの続きはオフィスの外で~
「すげぇ…これが俺達の部屋…」

私と稜真さんは宿泊する部屋に感嘆した。

「デラックス・エグゼクティブ・スイート…ウエディングカップルやハネームナーが泊まる部屋だよ」
拓真さんの説明に耳を傾けた。

「そう・・・」

稜真さんは言葉尻を濁し、籐のソファへと腰を下ろした。

「テンション低いぞ。稜真…こんな部屋でH出来るんだ。燃えるぞ」

拓真さんって知的に見えて、実はエロい所がある。
稜真さんと血は争えないかも。


「結婚式ね…出席者は?家族だけ?奈那子の家族はどうするの?」

「奈那子さんの家族の代わりに柚希が来る」

「何で!!?柚希さんが奈那子の家族代わりなの?」

「妹の弥英子さんの主治医だし、その関係かな?奈那子さんには父親が居ないから…一緒にヴァージンロードも歩いてくれるって」

「最悪…」

稜真さんは手を顔を覆い、項垂れる。

「稜真さん?」

稜真さんと相馬先生の間には何かあるらしい。


「10分後…ロビーに来いよ」
拓真さんは小陽さんの肩を抱き、出て行った。





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