偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~
「…そのタコさん貰っていい?」
「えっ?」
濱部部長は私の返事を訊かないままお弁当に箸を伸ばしてタコさんウィンナーを奪った。
「濱部部長!?」
「今度…美味いイタリアンご馳走してやるから…それで許せ。なっ」
「・・・」
タコさんウィンナー一つの代償にイタリアンとは。次元が違うと思うが。
彼にとってタコさんウィンナーはそれだけ価値あるもんなんだ。
私には御曹司の思考は理解出来なかった。
「結構です」
「そう言わずに…俺…地味子に話があるし」
「話?」
私は思わず瞳を開いて濱部部長の顔を見た。
相変わらず整った彼のイケメン顔にドキッと鼓動が跳ね上げった。彼を狙う数多の女子社員達と私自身も同じだと思うと実に口惜しい。
「仕事の話なら社内で訊きます」
「仕事の話ではなく、プライベートの話だ」
「はぁ?」
濱部部長は私の顔に近づけて来た。
私は慌てて顔を離し、距離を取る。
「お前にしか出来ないミッションだ」
「・・・」
濱部部長の言葉は意味不明で私を困惑させた。
「同期の誼で訊いてくれ」
「・・・」
「今夜…駅の西口19時半に待ち合わせだ」
濱部部長は手つかずのランチのトレイを持って立ち上がった。
「待って下さい…濱部部長」
「俺は御曹司。逆らえば地味子…お前をクビにするコトだって出来るんだ。分かっているよな」
部長は御曹司と言う権力を盾に私をねじ伏せた。
普段はチャラいが御曹司特有の俺様な性格も持ち合わせているようだ。
初めて見る彼の別の顔。
私は何も言えず、他の席に移動した彼の背中を目で追った。
「えっ?」
濱部部長は私の返事を訊かないままお弁当に箸を伸ばしてタコさんウィンナーを奪った。
「濱部部長!?」
「今度…美味いイタリアンご馳走してやるから…それで許せ。なっ」
「・・・」
タコさんウィンナー一つの代償にイタリアンとは。次元が違うと思うが。
彼にとってタコさんウィンナーはそれだけ価値あるもんなんだ。
私には御曹司の思考は理解出来なかった。
「結構です」
「そう言わずに…俺…地味子に話があるし」
「話?」
私は思わず瞳を開いて濱部部長の顔を見た。
相変わらず整った彼のイケメン顔にドキッと鼓動が跳ね上げった。彼を狙う数多の女子社員達と私自身も同じだと思うと実に口惜しい。
「仕事の話なら社内で訊きます」
「仕事の話ではなく、プライベートの話だ」
「はぁ?」
濱部部長は私の顔に近づけて来た。
私は慌てて顔を離し、距離を取る。
「お前にしか出来ないミッションだ」
「・・・」
濱部部長の言葉は意味不明で私を困惑させた。
「同期の誼で訊いてくれ」
「・・・」
「今夜…駅の西口19時半に待ち合わせだ」
濱部部長は手つかずのランチのトレイを持って立ち上がった。
「待って下さい…濱部部長」
「俺は御曹司。逆らえば地味子…お前をクビにするコトだって出来るんだ。分かっているよな」
部長は御曹司と言う権力を盾に私をねじ伏せた。
普段はチャラいが御曹司特有の俺様な性格も持ち合わせているようだ。
初めて見る彼の別の顔。
私は何も言えず、他の席に移動した彼の背中を目で追った。