偽装シンデレラ~キスの続きはオフィスの外で~
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ここは大昔、ハワイの王族達が支配した溶岩の台地・アリイの地。

「あれがお前達の挙式場所だ」
俺達は兄貴夫婦の案内で綺麗に手入れされた芝生の上を歩く。

所々生えた木々の緑が常夏の陽射しに輝く。

目の前に見える白亜のチャペルが俺達の偽装の愛を誓う場所。

兄貴がマカボニーの大きな両扉を開くと白大理石の床、その向こうには祭壇、硝子窓から射し込む光が十字架を美しく照らしていた。


「どうだ?気に入ったか?稜真に奈那子さん」

「あ・・・はい」

「稜真の感想は?」

「感想、まぁまぁかな」

「そんな言ってたら婆ちゃんが悲しむぞ。嘘でもいいから…喜べよ」

「いきなり、明後日挙式だって言われても…心の準備が出来てないよ」

「それもそうだな…」

「場所は確認したし、次は衣装決めだな」

兄貴が仕切り、どんどんと俺と奈那子の挙式は現実味を増していった。







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