偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~
俺もスパークリングワインを一口飲み、赤ワインとハーブのジュレ付きのコロラド産のラムを頂く。

「・・・」

奈那子は興味本位でチェイスしたエスカルゴの食べ方に頭を悩ます。

「食べ方判らねぇのに…エスカルゴなんて…取るなよ」

「一度口したかったと言うか…」

「これを使うといい」

目の前の父さんが自分の持って来た未使用のエスカルゴ専用のU字型のトングを奈那子に差し出した。

「あ、ありがとうございます。濱部社長」

父さんは奈那子にトングを渡すと立ち上がって、自分の分を取りに行った。


「タッ君も気に入ったようね」

父さんに奈那子を紹介したけど、彼女の顔を見て目を丸くしただけで無反応だった。

俺にはやっぱり関心が薄かったと思ったが、父さんなりに息子の嫁に対してテレがあるんだと安心した。





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