偽装シンデレラ～続きはオフィスの外で～
ハワイ滞在２日目。

私と小陽さんはホテル内のエステスパ。
午前中は岩盤浴で体内の毒素と老廃物を外へと出す。

午後からブライダルプランに含まれる『ブライダルコース』へと突入。

暖かい色の木目を基調とした壁に囲まれた個室でアロマの香りに鼻腔を擽られながらオリーブオイルのマッサージを受ける。

専用ベットにうつ伏せに寝かされた私のむき出しの背中に金髪の女性がオリーブオイルをすり込むように塗りこんでいく。

｢キモチ良さそうね。奈那子さん」

隣のベットにうつ伏せに転がるのは別のコースを堪能する小陽さん。

｢奈那子さん…お義父さんに可愛がられそうね」

「あ…それは単に亡くなられた娘の彩名さんに顔が似ているだけの話で、私自身が気に入ったワケではないと思います」

「私と彩名は幼なじみだったの」

「えっ！？」


「あ…結婚式に出席する柚希君とも幼なじみなの」


「相馬先生も！？」

「うん。二人は結婚の約束してたのよ」

相馬先生と彩名さんが結婚？

小陽さんの話では相馬先生が医者になろうと思ったのは彩名さんの病気がきっかけらしい。







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