偽装シンデレラ~キスの続きはオフィスの外で~
《9》偽装の挙式
奈那子side-
私達は、一生に一度かもしれない結婚式と言う節目を台無しにしようとしているのかもしれない。
花嫁支度を済ませた私は控室で挙式を時間を待っていた。
繊細なビージングのレースのウエディングドレス。
「凄く似合ってるわよ。奈那子さん」
小陽さんが私のドレス姿をデジタルカメラで撮影する。
これが互いにキモチを通い合わせた正真正銘の挙式なら問題ないのに。
濱部家の人達の優しさと温かみが私を苦しい立場へと追いやった。
「失礼します」
私の父親役を買って出てくれたモーニング姿の相馬先生が入って来る。
「どう?柚希君…奈那子さん、綺麗だと思わない?」
「そうだな」
小陽さんの言葉に相槌を打つ相馬先生をベール越しに見つめる。
先生の瞳は少し複雑、彼も私が彩名さんに似ていると気づいていた。
先生は私と彩名を重ねて、心惹かれて告白したんだ。
私は彩名さんじゃない。
私に彩名さんの代役は出来ない。
花嫁支度を済ませた私は控室で挙式を時間を待っていた。
繊細なビージングのレースのウエディングドレス。
「凄く似合ってるわよ。奈那子さん」
小陽さんが私のドレス姿をデジタルカメラで撮影する。
これが互いにキモチを通い合わせた正真正銘の挙式なら問題ないのに。
濱部家の人達の優しさと温かみが私を苦しい立場へと追いやった。
「失礼します」
私の父親役を買って出てくれたモーニング姿の相馬先生が入って来る。
「どう?柚希君…奈那子さん、綺麗だと思わない?」
「そうだな」
小陽さんの言葉に相槌を打つ相馬先生をベール越しに見つめる。
先生の瞳は少し複雑、彼も私が彩名さんに似ていると気づいていた。
先生は私と彩名を重ねて、心惹かれて告白したんだ。
私は彩名さんじゃない。
私に彩名さんの代役は出来ない。