悪魔の諸事情。



──え……


えっ!?



思わず頬が、かっと熱くなった。

やだ。あたし、何描いてんのッ!?



その絵は……途中から斜線で消されていたけれど、それでも、あたしがやみよくんを好きだったこと、

……大好きだったこと、を、教えてくれた。


なのに。

なのに、どうして、どうして思い出せないの?



思わず涙が溢れそうになって、だけどそれを必死で堪えて、どうすればいいか考えた。


そう、

泣いてる場合なんかじゃないんだ。



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