お堅い男子は好きですか?~二人の幼なじみと甘々な恋~



「じゃ、俺はこれで帰るよ」



雪菜の手を離し、馨は帰ろうと立つ。


「先輩、もう帰っちゃうんですか?」


雪菜から、手を引かれる。

多分これは男として部屋に残って欲しいのではなく、
幼なじみの友達、として部屋に残って欲しいのだろう。


雪菜の天然は、残酷だ。
無自覚であればあるほどタチが悪い。


だが、自分の腕を引く雪菜の手の感触を感じると


(………やばいな)

理性のたかが外れそうになる…

だが、そんなことを言って雪菜の警戒を強めるわけにも行かない。

馨はすこしからかうようにしていった。

「なに?雪菜ちゃんまだいて欲しいって?」

雪菜と同じ目線までかがみ
頬を右手でなでてやった。




「いや、あの…」

















< 108 / 126 >

この作品をシェア

pagetop