お堅い男子は好きですか?~二人の幼なじみと甘々な恋~
「じゃ、俺はこれで帰るよ」
雪菜の手を離し、馨は帰ろうと立つ。
「先輩、もう帰っちゃうんですか?」
雪菜から、手を引かれる。
多分これは男として部屋に残って欲しいのではなく、
幼なじみの友達、として部屋に残って欲しいのだろう。
雪菜の天然は、残酷だ。
無自覚であればあるほどタチが悪い。
だが、自分の腕を引く雪菜の手の感触を感じると
(………やばいな)
理性のたかが外れそうになる…
だが、そんなことを言って雪菜の警戒を強めるわけにも行かない。
馨はすこしからかうようにしていった。
「なに?雪菜ちゃんまだいて欲しいって?」
雪菜と同じ目線までかがみ
頬を右手でなでてやった。
「いや、あの…」