お堅い男子は好きですか?~二人の幼なじみと甘々な恋~
「調子に乗るなよ」
ふっと羽鳥に笑みがこぼれる。
雪菜がいなくなったことに焦ってここまで周りが見えなかったが、
この非常階段はなんだか落ち着くいい場所だ。
羽鳥は、遠くに聞こえる生徒たちの声や、ざわざわ揺れる木々の音、吹き抜ける心地いい風を感じ、少し悦に入る。
「ここはなんだかいい場所だな。」
「うん。馨先輩もここ気に入ってるって言ってたよ。あのさ……トリ?」
「ん?」
雪菜が少し照れくさそうにしている。
一体なんなのか、と思っていると
「い、いつまでこの体勢……?」
そういえば雪菜を膝に乗せたまま、抱き合うような体勢で座っていた。