お堅い男子は好きですか?~二人の幼なじみと甘々な恋~
「お前は、もう俺の彼女じゃない」
冷たく言い放つ。
すると、電話越しに千秋が息を飲んだのが分かった。
「……わかってるよ、でも、思い出すの!」
(…またか)
千秋は事あるごとに彼氏と別れた後、寂しいのか何かはわからないが
一夜共に過ごすことを強要してくる。
「だから何なんだ。俺には関係ないだろ」
羽鳥は携帯片手に眉間にしわを寄せる。
「今夜くらい、元彼氏のよしみとして、慰めてくれたっていいじゃん。」
羽鳥はため息をひとつはいて、
「…わかった。」
なぜこうも早く了承したのかというと
こうなると千秋が引き下がらないのをしっているからだ。
それに、雪菜と馨が二人で出かけていることに苛立っていたので、
羽鳥は千秋と言い争いになってもっと苛立ちたくなかった。
(時間の無駄になるならさっさとOKしたほうがいい…)