お堅い男子は好きですか?~二人の幼なじみと甘々な恋~
「おい、雪菜、待て」
きゃーきゃーと群がる女の子の壁を縫って、羽鳥が腕をつかんでくる。
女の子からの視線が雪菜に注がれる。
「あ、トリ、あたし先に教室行ってるね?」
「おい。俺はおまえと来たんだぞ。」
「いいよ、ほら、羽鳥を待ってる女の子達いっぱいいるよ、あたしのことは構わずに、ね?」
「何年一緒にいると思ってるんだ。お前、極度の方向音痴で俺に何回探させたと思ってるんだ」
あれこれと言ってくる羽鳥と話していてもキリがないと思った雪菜は羽鳥の腕を振りほどく。
羽鳥が驚いて目を見張っている隙に、生徒の校舎塔へ向かった。