お堅い男子は好きですか?~二人の幼なじみと甘々な恋~
雪菜がもんもんと思考を巡らせながら廊下を歩いていると、突き当りに大きな扉があった。
何かドアの先は広そうだったので誰かいるかもしれないと思った雪菜はそのドアを開けた。
めいっぱいの日差しが雪菜を包んだ。
(外……?)
開けたその先は、非常階段だった。
めったに使われないようで、少しほこりっぽかった。
雪菜がいる非常階段の階数は3階ほどで、踊り場に立つと、心地よい風が雪菜の頬を吹きぬけた。
(なんだかいい場所を見つけたなあ。)
少し雪菜が悦に入っていると、不意に声をかけられた。
「あれ、雪菜ちゃん」
見覚えのある声が雪菜の耳にはいった。
「馨先輩…!」