お堅い男子は好きですか?~二人の幼なじみと甘々な恋~
「てめぇ…馨!!!!」
羽鳥は、馨の胸ぐらをつかんで、引き寄せる。
完全にキレているようだ。
こんな羽鳥を雪菜は見たことがなく、ただただ驚く。
「羽鳥、離せ」
馨の怒気じみた声が、鋭く羽鳥に突き刺さる。
だが、そんな事は気にせず羽鳥は、まくしたてる。
「お前…自分が何やってんのか分かってやってるのか…!?」
馨は、胸ぐらをつかまれている羽鳥の手をギリッ…と握り、
力技で、外した。
「俺は、雪菜ちゃんがただ好きなだけ。
羽鳥に関係あるのか?」
「はあ…!?お前、何をしゃあしゃあと…!!」
雪菜はやっと少し状況を飲み込めてきた。
二人が人の目も気にせず取っ組み合っており、周りの人の視線を集める
(…このままじゃ、喧嘩になる…!)
「トリ!落ち着いて!!」
雪菜の一喝(いっかつ)が、羽鳥の動きを制止する。
羽鳥は視線を馨から雪菜へとやる。
そして、ズンズンとこちらに歩いてきた。
「………来い。」
「え……!?羽鳥!?」
グイっと、羽鳥は雪菜の腕を引いて歩き出す。