お堅い男子は好きですか?~二人の幼なじみと甘々な恋~
羽鳥は半ば強引に雪菜の手を引き、歩く。
後ろを振り替えると、馨がこちらを眺めていることに気づいた。
(先輩…)
馨は、虚空を見てるような気がした
「ちょ、トリ、トリってば!先輩置いてきぼりになっちゃってる!」
「ほっとけ」
目の前を無言でズンズン歩く羽鳥。
よくわからないが、なんとなく
苛立ちが背中から伝わってきた。
「トリ、私自分で歩けるって…!」
「……」
羽鳥は雪菜の主張を聞かず、
ただもくもくと前を向いて歩く。