お堅い男子は好きですか?~二人の幼なじみと甘々な恋~
「別に、私は先輩のこと好きだなんて…思ってないよ、あれは…ただいきなりキスされただけ」
雪菜の答えを聞いて、羽鳥は、少し背中の緊張がとれたような気がした
「そうか」
羽鳥はこちらをみてほほえむ。
(――ドキッ)
羽鳥の顔なんて、何百回も何千回もちっちゃい頃から見てるのに
何故か、今こうやって羽鳥にやさしく見つめられるとドキドキする。
(なぜ…っ)
雪菜が思考をぐるぐる巡らせていると
羽鳥に声をかけられた
「俺は、…お前が好きだ」
羽鳥の、真っ直ぐな言葉が
雪菜の胸を打つ。
「えっ…?」
「お前と馨がキスしているのを見て、血が上(のぼ)った。」
―――嫉妬してたんだ
羽鳥は、そう、ばつが悪そうに言う。
(!!)
言葉にならない思いが、雪菜の身体中をかけめぐる。
雪菜は両手を口に当てる。
口を押さえて置かないと、
何かいつも通りのような、下手なことを言ってしまいそうだったからだ。
「じつはネズミーランドにいたのも、今日本当は雪菜をネズミーランドに誘おうとして券を買っておいてたからだ」
「そう…だったんだ、ごめんね、羽鳥が誘ってくれてるの、気づけなくて」
「いや、お前が謝ることはない…先に馨が誘っていただけだった話だから。
…それに、今日はお前の誕生日だっていうのに、馨とも喧嘩してしまって…
悪いが、馨とホームパーティーをしてくれ」
(まあ、確かにこんな状況で3人集まってパーティーなんてできないよね…)
雪菜はシュンとなる。
「全て、俺が悪いんだ。――――キスのことも」
「!!」