たくさんの思い出たちの唄
1学期
4月7日。AM7:00起床

いつもと一緒だ。

入学当初のような緊張感はまったくといっていいほど無い。

上履きは黒ずんだままで

制服はクリーニングにも出していない。

てかてかになったスカートを履き、適当にブレザーを羽織った。



私は今日から中学3年生になった岳間未樹だ。


学年があがっただけでなにも変わってなんか無いけど。




「いってきます」

やるせない声で玄関を出た。

バス通学なので初っ端から遅れるのはさすがに恥ずかしいと思い

いつもより2分だけ早く家を出た。

案の定バスには余裕で乗ることができた。


「おはよ。」

「おー!未樹おっはよー!!」

『朝からうるさいな』と思いつつも作り笑いを返して座席に座る。

すべてが新鮮だ。
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