ダーリンは財閥
私は廊下であの無愛想男とぶつかり慌てて

「すみませんっ!」

と頭を下げた。

「君は大丈夫?」

「はいっ!大丈夫ですっ!失礼します」

と面接会場へ急いだ。

《やっぱり金持ちのボンボンは無愛想だわ、所詮親の七光り)

とその男性の印象は最悪だった。
試験も終わり次は面接。

私は名前を呼ばれるまで緊張の嵐だった。

とうとう私の番が来た。

部屋に入ると会長とあの無愛想な男性が

「どうぞ」

と私は椅子に座った。

「うちを希望した理由は」

質問も無愛想な言い方に呆れた。
「はい。
自分のデザインした物を多くの人に使って欲しいと思ったからです。」

無愛想な男性は

「ちなみにどんなデザイナーになりたいんですか」

「ありふれたデザインではなく私だけのデザインを世に出したいのが夢でした小さい頃からの」

「分かりました。
結構です。
後日通知します。」

面接の時間は30分位で終わり私は部屋を出た。

緊張が切れたせいか私はトイレに駆け込み吐いてしまった。

トイレから出るとあの無愛想な男性とぶつかってしまった。

「すみません」

と頭を下げた。

すると。

「ぶつかるの二回目だな(笑)
顔色悪いけど大丈夫か」

《初対面に向かってタメ語!》

私は

「本当にすみませんっっ!」

男性は笑いながら

「慌てずゆっくり帰りなよじゃぁ」

小走りにその場を後に帰宅した。
会社を出ると緊張の糸が一気に切れた。

私は司に終わったメール送りそのままバーへと向かった。

マスターに面接終わった事を報告した。

マスターは

「愛なら受かるよ、受かったらお祝いしなきゃだな」

と頭を撫でられた。

私はいつものカクテルを飲み干した。

今日のお酒は本当に美味しかったマスターとも色々話をしながら盛り上がった。

帰りはマスターがタクシーを呼んでくれて帰った。

本当気持ちいい1日だった。
< 2 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop