ダーリンは財閥
仕事終わって会社を出た時だった
「愛さん?」

私は硬直してしまった。

「あっはい!」

「少しお話いいかしら」
私は断る事も出来ず会社の近くの喫茶店に入った。

「拓哉から貴方が好きだから諦めろと言われたけど、
どうしても納得いかなくて会いに来たの?」

「あっはい!」

「拓哉のお母様は許してらっしゃるの」

「いえ!
お母さんは知りません」

「お母様に内緒でこんなことしてただですむと思ってるの」

「どんな事があっても守る言葉を信じてますから私は」

と答えた。

その後彼女は

「ともかく絶対拓哉は渡しません」
と店を出て行った。

私は何故か震えが止まらずその場を動けなかった。

するとメールが来た。

『愛?
そろそろ自宅に着く頃かな?
昼間アイツにははっきり俺は愛を愛してる言ったから、
誰になんと言われようと愛は離さないから』

私はメールを見ながら涙が溢れた
本当嬉しくてたまらなかった。

『早く帰って来て拓哉。
会いたいよ』

とメールを送った。

『淋しい思いさせてゴメンな。
直ぐ帰るから待っててな』

私は携帯を握りしめ涙した。

マンションに着いてソファーに座ると自然に涙が溢れてきた。

《私のいれる世界じゃないのかも》

拓哉が守ってくれても強敵過ぎた
婚約者の目力を思い出してた。

《私が拓哉を諦めるべきだよね》
そう自分に言い聞かせると涙が溢れた。

《拓哉を好きなだけなのにぃ。
拓哉といたいだけなのにぃ。
拓哉を感じてたい
それも許されないのぉ》

と泣き叫んでた。

冷蔵庫のアルコールを全て飲み干し私はソファーでそのまま寝た。
「愛?愛?」

うっすら目を開けると拓哉がいた
「こんなに飲んで大丈夫かよ」

拓哉の目には涙がたまってた。

私は拓哉をつかみ

「私は拓哉といちゃいけないの? 私は拓哉の彼女にふさわしくな いの?
私じゃ不足なの?
庶民の私じゃぁ」

いいかけた時拓哉に

「俺は愛じゃなきゃ絶対ダメなんだ、
愛じゃなきゃ愛せないんだ、
愛がいないと生きていけないんだよぉ」

と強く強く抱きしめられた。


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