ダーリンは財閥
それから二年がたった。

拓哉の事は忘れようと頑張った。
メールも電話も新しく変えた。

ともかく仕事場で失恋のかいもあり評価は高かった。

今日は新人の紹介の日だった。

私は会社に着くなり

「主任!
このデザインですが」

言われて修正してない後輩に怒鳴り付けた。

チーム長は

「主任、もっと穏便に」

「一週間後に迫ってるのに穏便にですか!
失敗したら終わりなんですよ!
分かってますかチーム長」

と罵声をあげた。

私は会社ではやり手のデザイン主任に昇格してた。

拓哉のお母さんとも顔を合わせることが増えた。

合わせても仕事に支障はなかった
「愛さん?
随分立派に素敵になったわね」

「有り難うございます。
私には仕事しかありませんから」
お母さんは何も言わずその場からいなくなった。

新人の子が部署に入って来た。

「今日から企画部に所属になった小川卓哉です。
宜しくお願いします」

「愛さんデザイン志望だから宜しくね」

とチーム長に言われ

「分かりました」

と答えた。

「小川さんこちらに来てくれますか?」

私は仕事内容を説明した。

「主任宜しくお願いします」

「宜しくね」

と握手をした。

その夜は新人の歓迎会だった。

新人の酒の強さは半端なかった。
私は酔いを冷まそうと一旦外に出て風に当たっていた。

「主任大丈夫ですか」

「あっ小川君有り難う」

とおしぼりを受け取った。

それから二人で色々話をした。

「主任彼氏いるんですか」

私は答えられなかった。

「そろそろお店戻ろうか」

と戻った。

歓迎会は無事に終わって私は帰宅した。

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