ダーリンは財閥
次の日は土砂降りの雨だった。

私は会社に着くなり次のプレゼンの準備をした。

お昼も取らず私は資料室に資料集めに向かった。

「今日絶対来いよ愛」

いきなり後ろから声がして振り返った。

拓哉だった。

「すみません。
今日母が具合悪いので会社終わったら帰らなきゃいけないんです。」

「じゃ俺が家に行くよパーティー終わったら」

「もう来ないで下さい。
結婚するならこんな行動もダメですよ」

「愛」

と後ろから抱きしめられたけど私は振り払い部署に戻った。

会社が終わり私は家に帰る気になれず一人で良く行くバーへ向かった。

マスターとは物凄く仲良し。

「愛?
今日は飲みすぎはダメだぞ」

「分かってるよ。
只今日は酔いたいかな」

「何かあったのか?」

「ううん!
元彼の結婚お祝い」

私はかなりのお酒を飲みバーを出てタクシーに乗った。

「運転手さんすみませんここでいいです」

私はあの湖のある場所の近くで降りた。

土砂降りだったけど雨に濡れたかった。

濡れて雨と一緒に全て流したかった。

ベンチで土砂降りの中ずっと湖を眺めていた。

雨の水滴なのか涙なのかさえ分からず私は湖を眺めながら泣いていた。

どれくらい泣いたか忘れたけど
私はいつの間にか家の近くのベンチに座ってた。

寒くなり私は家に帰ろうとした。
足は酔っぱらってるせいかフラフラだった。

家の近くに行くと車が止まってた
後部座席のドアが開き誰かが出てきた。

「愛!
何でこんなびしょ濡れなんだ!
何かあったのか」

私は手を振り払いフラフラしながら

「ほっといて、
貴方には関係ないでしょ、
結婚するなら優しくしないでよ」
言った瞬間足がもつれ倒れそうになった瞬間

「愛!」

拓哉が受け止めた。

拓哉もびしょ濡れだった。

「風邪ひくから帰って、
私は大丈夫だから。」

「来いよ」

私は公園のベンチのあるところに連れて行かれた。

「何するの!
離して」

私は拓哉を睨みながら手を振り払った。

「まだ分かんないのかよ」

と拓哉に無理矢理キスされた。

「何が分かんないのよ。
分かってるわよ。」

「じゃぁ言って見ろよ」

「私は夢から覚めたの。
K.Iグループの息子さんと幸せになれるって夢から覚めたの」

と立ち去ろうとしたら腕を捕まれ拓哉は深いキスをしてきた。

「離してよ。
何なの!
何のつもり!
結婚するなら帰って」

拓哉は今度は私を壁に押し付けて深いキスをしてきた

「これでもわかんねーのかよ!
俺がこの三年どれだけ愛に会いたくて仕方なかったか分からないのかよ!」

私は一気に酔いが覚めた瞬間だった。

「愛?
結婚しよう」

今度は優しく深いキスをされた。

「今何て言った?」

「俺と結婚してくれって言ったんだよ」

と抱きしめられた。

私はその場に立ち尽くすしかなかった。


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