ダーリンは財閥
結婚パーティー当日

私は拓哉と二人で会場に向かった
駐車場に車を止めると

「母さん」

「拓哉おめでとう。
愛さん拓哉をお願いね」

と笑顔でお母さんに言われ目頭が熱くなった。

「お母さん有り難うございます」
と震える声でお礼をいった。

「愛さん?
頭をあげて頂戴」

上げた瞬間お母さんに抱きしめられた。

「これから宜しくね愛さん」

私は涙を我慢出来なかった。

お母さんは背中をポンポンと優しく叩いてくれた。

会場に次々と人が集まりパーティーが始まった。

先ずお父様の挨拶。

「皆様この度は息子の為にお集まり頂き感謝致します。
どうぞ今日は楽しく盛り上がりましょう。」

お父様の秘書の司会ぶりはパーフェクトだった。

とうとうお母様からの紹介が始まった。

「皆様今日は本当に息子とお嫁さんの為に足を運んで頂き感謝致します。
長らくお待たせ致しました素敵な花嫁さんの登場です」

私はスポットライトの中拓哉に手を引かれステージにあがった。

会場からは

『うっそでしょ!』

『主任万歳』

等々色んな言葉が飛び交っていた
私は拓哉と一つ一つのテーブルを周り挨拶した。

「主任おめでとうございます。」
と次から次にお祝いの言葉をもらった。

K.Iグループのお嫁さんになった自覚は全くなかった。

私は拓哉と結婚しても仕事はやめるつもりはなかった。

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