君にKiss 【短編】

４. 別れ

今日は珍しく残業で
かなり帰りが遅くなった。

光輝には連絡を入れ
ご飯は適当に食べるよう
伝えてある。

10時を過ぎるといつもの帰り道もなんだか不気味に感じられる。

私は公園にさしかかり
もうすぐ家だと思い
少し気を抜いていた。

すると急に後ろから腕を掴まれ
その勢いでバランスを崩す。


『きゃっ！』


私は一瞬何が起きたのか
わからなかった。

そして私の耳元で声がした。


「お前、高梨花梨だな。」


『だ、誰ですかっ！』


私はかなり混乱していた。
大柄の男に両腕を掴まれ
後ろから羽交い締めにされ
身動きが取れない。


「傷つけられたくなかったら
大きな声出すなよ。光輝様を
返してもらおうか。」


『えっ…光輝様……！？』


ますます混乱した私は
体をねじって逃げようと
抵抗した。

しかし
腕を強く締め上げられ
なかなか抜け出せない。


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