S-exchenge
ああ、そうだ。


プレーリードッグかも知れないな。


さっき茂みを抜けた時に付いたらしい、親父から借りている制服についた枯葉や小枝を振り落としながら、俺はそう思った。


巣穴から立ち上がって警戒をしているあの小動物の瞳と、こいつはよく似た目をしているんだ。


「ん?
あぁ。
今日からここの生徒なんだ。
お前もか?
んじゃ宜しくな。」


こんな言い方をすれば、この可愛い子ちゃんをビビらせるのは百も承知で。


けど、あまのじゃくな俺は更に追い討ちを掛けるように、にやりと笑って見せた。
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