S-exchenge
可愛い子ちゃんを発見して静かに興奮している俺の背後で、チビコロがごそごそと動いているのが気になって俺はチラリと振り返ってみた。


黒板に大きく『大地 緑風』と書いたヤツは、挨拶をするように促しながら、ちらりと腕時計に目を落とした。


んだよ。


お前が短い足でトロトロ歩いて、もそもそといつまでも話していたんだろうが。


俺に向かって時間がないんだよ、みたいなゼスチャーして見せてんじゃねえっての。


ああ。


また俺の中で、ぶちかましたい言葉が溜まる。


それを我慢して、俺は人好きがすると定評のある笑顔を浮かべた。
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