S-exchenge
そんな表情も、反則な位に可愛いんだよな。


ぜってえ、不公平だ。


この可愛い子ちゃんには全く責任のない事で、俺はまた不平を覚えてしまう。


まあ、今さら言っても仕方のない事だがな。


そんな事を思いながら、俺は可愛い子ちゃんに手招きされるがままに、その後ろについて歩いていく。



木戸から続いていた小径は、クチナシの艶々とした茂みに沿って少しずつ右へと曲がっている。


けやきの高い梢から、雨の名残の雫が地面に落ちてくるのに時折当たってしまった可愛い子ちゃんが、うひゃあと可愛い声を上げる。
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