S-exchenge
なんて事を考えていた俺の耳に。


「あ、あの……、あのね。」


と。


ためらって、ためらって、ようやく言葉になりましたって感じの声が聞こえてきた。


空を見上げていた所為で、焦点を合わせにくい目を瞬かせながら振り向いて、俺は声のした方を見下ろした。


「んぁ?
何だ?」


なんだか真剣そうな声の響きに、必死に明瞭な視界を取り戻そうと努力した俺の目にようやく映ったのは、勇気を振り絞ってますって表情の可愛い子ちゃんの口から。


「ホ、ホントに、チカンじゃないっ?」


という、強烈な質問が飛び出す所だった。
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