騎士と夢巫女
「グァァァァ!!!!!」
稲妻は、化け物の全身を包み込む。化け物は叫び声をあげ、由乃は驚愕してただ立ち尽くしていた。
予想外の事態!!え??え、私もしかして殺人犯!?!?
由乃は棒を握り締めた。
しばらくすると、化け物にまとわりついていた稲妻が、しぼむ様に段々と小さくなっていき、パリンッと割れるように四方八方へ飛び散った。
「……あ、れ??」
飛び散った光の姿が完全になくなると稲妻に包まれた化け物は、光に包まれていた。その姿は先ほどと違い、綺麗な顔立ちの青年になっていた。
「ありがとう。これで、もう……」
青年は満面の笑みを浮かべながら、スーッと闇にとけるように消えていった。