騎士と夢巫女
夢巫女、保護される
『あ、あの……』
「話は後だ。今の時間は分が悪い」
青年が、由乃の腕を引っ張る。しかし、腰の抜けた由乃には立ち上がることが出来なかった。
『こ、腰が抜けて……』
「……ったく。背中に乗れ」
由乃の前に背中を見せて青年は座り込んだ。その提案は、有り難いものだ。しかし、初対面の人の背中に乗るのは、なんとなく気が引ける。
『え、でも……私重いですし』
「いいから乗れ。さっきのような奴らは、これからもっと出てくるぞ??それでもいいなら置いていくが??」
青年は何の問題も無いとでも言いたげな顔をして、立ち上がろうとする。その腕を、由乃はすがる思いで掴んだ。