騎士と夢巫女
「警戒心無さすぎだろ。そのうち痛い目見るぞ」
『大丈夫だよ。今のところ、あってないし』
その言葉で青年はもう一度ため息をついた。そこで、ふと由乃は先ほどの会話を思い出した。
『ねぇ、さっきの言い方、もしかしてさ。あの男もどきに襲われてるとこ見てたの??』
「見てた」
『見てたの!?』
何で助けてくれなかったの!?まぁ、私たちの関係は他人ですけど。助けてくれてもいいじゃない!
「本当にやばい状況になったら、助ける気だった。けど、お前倒したじゃん」
青年の髪が、緩い風によってフワリと揺れた。