騎士と夢巫女
「普通科の生徒やこの学校に勤めている教員全員。ヴァンパイアが存在していることを知らないんだ」
『知ってしまえばパニックになるでしょうね』
伝説の中でのみ生きていると思っていた存在が、自分と同じ学校にいる。まぁ普通の人なら吃驚するだろう。
「そう。でもね、特別科の彼らはみんな綺麗な顔をしているから、普通科の生徒が夜に校舎に潜り込んだりするんだよ」
無知な者は時として恐ろしい存在だ。
綺麗な人たちがいれば、みんな悪いことだと分かっていても見に行ってしまう。
理解できないことではない。しかし、げっそりとする理事長や椛霧を見て、由乃は苦笑いを浮かべるしかなかった。
『警備と言うことは、校内の巡回とかですか??』
理事長はそうだよ、と頷いた。