騎士と夢巫女
「なんだよ」
椛霧が面倒くさそうに振り返った。
『あ、あ……昨夜は、危ないところを助けてもらい、かたじけないでござる!!!!』
もう、私の口よ。爆発してくれ。
意味不明な言い方。意味不明な語尾。頭を下げつつ、由乃は死んだような目で明後日を見ていた。
いくらテンパっていたとしても、あれはナイ。
『……??』
幾度待てど、相手からの反応がない。不安になりチラリッと由乃は顔を上げた。
「……ブフッ」
椛霧は一瞬噴出すと、何も無かったように歩き始めた。
なにその反応!?!?なんか、傷つく!!!!