騎士と夢巫女





「だれか、誰か助けて!!!!」





路地を出ると、今まさに女の人が襲われていた。物陰から、様子を伺う。ドレスを身に纏った女の人は、腰を抜かしたのか道に座り込んでいる。




女の人に襲い掛かろうとしているのは、明らかに人には見えない。




真っ黒な煤を身に纏ったように、清潔には程遠い様相。ボサボサの髪。ボロボロの衣服。男か女かさえ判断できない。




あ、あぁぁぁ。あれアカン奴や!!!!




人でも助けに行く勇気ないのに。人っぽくなかったらより勇気いるじゃない!!




鉄の棒を握る手がガタガタと震える。





でも、あの人の方がもっと怖いはず。怖いけど……人を見殺しになんてしたくない!!





< 7 / 57 >

この作品をシェア

pagetop