(仮)彼氏(仮)彼女。
ぼーっと過ごしていたらいつの間にか放課後。

さて、帰るかとカバンに手を掛けると、


「吉岡ー、戸塚が呼んでるぞー」

名前も認識していない男子の声。



「へーい、へいへい、しょーうへっ……へ!?」

頭の整理に時間がかかりつつ、まさかの出来事にテンパる。



教室の入口には確かに戸塚の姿。

イエス。本物。


本物の戸塚は口をパクパク動かしている。



「えーっと、…い、そ…げ…うん!」

大きく頷き、カバンを背負って入口へと走る。




「ふぅ…どうしたの?」


「何でもねーよ」


そう言われて頭を押さえつけられる。




ちょ、え、ええ?



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