きっと、君を離さない
春香ちゃんの腕を掴む。
春香ちゃんは顔をしかめ、俺を見た。
「そうやって逃げんなよ!俺から、逃げんな!」
「放してっ」
「放さない!決めたんだ!もう、この手を放さないって!そう・・・決め・・・あ、あれ・・・」
おかしい・・・。
腹の傷から激痛が。
あ、あれ・・・。
や、やばい・・・
「ご・・・ごめ・・・ナースコール・・・押して」
「え・・・、ちょ・・・」
青ざめた春香ちゃんを見ながら俺はベッドに倒れこむ。
あーくそ、情けない。
かっこつけて、なにしてんだ俺は。
「安静に、と言ったはずですが」
「はい。すいません」
医者には冷静に怒られるし。
隣には、真っ青な顔の春香ちゃん。
やばい、心配かけた。
「春香ちゃん・・・ごめん」