きっと、君を離さない
真っ青な顔の春香ちゃんはガクッとその場に座り込んだ。
「は、春香ちゃん!」
こんなベッドの上からじゃ、助け起こすこともできない。
腹の傷はいてぇし。
ああ、散々だ。
彼女は今、敏感になってる。
今にも、壊れてしまいそう。
放っておけるわけ、ないじゃないか。
「・・・すいません。ちょっと動揺してしまっただけです」
「心配かけて、ごめん・・・」
「いえ。もう、帰ります・・・」
「うん。気を付けて」
俺にできることはなんだろう。
もしかしたら、なにもないのかも。
放っておけないなんて。
自惚れてるだけ。
俺なんかが、彼女の役に立てることなんて。
なにも、ないのかもしれない。