きっと、君を離さない
「トラックとぶつかり、即死だったそうです。その日は、卒業式。その前日、二人は些細なことでケンカをしたそうです」
「ケンカ・・・」
「彼は、当日の朝春ちゃんを迎えに来て謝ったそうです。でも、春ちゃんはそれを突き返した」
聞かなくても、わかる。
そのあと、彼は事故に遭ったんだ。
―私のせいで
―私は人を不幸にしかしませんから
彼女の声が、こだまする。
ああ、そう言うことだったんだ。
ずっと、後悔してたんだね。
彼の手を払いのけてしまったこと。
「そして、その事故の現場を、春ちゃんはみたんです。彼を追いかけて行った先で・・・」
「・・・だからか。あんなに、混乱してたのは」
池内が一人納得している。
春香ちゃんは、俺を重ねてた?
俺が事故ったのを見て、その時の事を思い出した?
俺と、健太を重ねたの?