きっと、君を離さない



「それは、あなたが考えることではありません」

「でも!」

「よく、考えてください」



誰も、手を伸ばさなければ彼女は。
暗い暗い闇の中で、一人ぼっち。


これから先、そんな人が現れる保証なんてないじゃないか。




江梨子さんは頭を下げると行ってしまった。







「なんで皆、そんな極端なんだよ・・・」

「大石・・・」

「もっと、単純じゃダメなのかよ・・・」

「抱えてるもんが、でかいってことだろ。それを支えるってなったら並大抵な覚悟じゃ・・・支えてる奴まで一緒に潰れちまう」

「でも俺は、それで彼女が潰れるってわかってて黙って背を向けるなんてできないよ。・・・一緒に潰れたほうがましだ」




お人よし。
違う。
ただ、そう偽善なだけかもしれない。



一緒に潰れてしまえば、気が楽だから。
そんなの、救った内に入らないのに。





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