きっと、君を離さない
「春香ちゃんは、一人なんだよ。俺が手を放したら・・・今、せっかく手を伸ばしてくれてるのに」
「菜緒だって、お前がいなかったら一人だろ!」
「菜緒には!ちゃんと支えてくれる、お前だって、他の友だちだっているだろ!春香ちゃんには・・・いないんだよ」
自分は偽物だって言ってた。
理恵に見せる自分は偽物だって。
そんな悲しいことを言う彼女が、頼れる場所があると思えない。
「俺になにができるかわからないけど、彼女の力になりたいんだ!」
「菜緒の気持ちは、どうなんだよ・・・」
「ひどい奴でいいよ。俺はもう決めたから」
どれだけ非難されても。
嫌われたって構わない。
全て円満に進むことなんてありえない。
きっとどこかで誰かを傷つけて、そうやって、いろんなことが進んでいく。
ごめん。
なんて、そんな簡単な言葉で済ますことなんて出来ない。
だけど、今の俺には、その言葉しか出てこない。
これでよかったのか、なんて。
わかる日なんて来るのかな。
答えなんて、出るのかな?