きっと、君を離さない
その次の日も、私は放課後を利用してお見舞いに向かう。
毎日の日課になっていたこの行動も、今日で終わりだ。
明日、彼は退院する。
私と彼の関係も、そこまで。
彼は変な人だ。
こんな私に笑顔を向けるし。
こんな私に優しい言葉をかける。
私がいくら冷たくあしらっても、その笑顔で私を見るんだ。
それも全部、私のせいだと責める私を慰めるため。
だから、退院すればすべて終わる。
明日、すべてが終わるんだ。
「いい加減、考え直せよ」
「・・・だから、無理だって」
「悠ちゃん!お願い!」
病室の中から、言い争う声が聞こえる。
いったい、何事だろうか。
いけないことと思いつつ、そっと中を覗きこむ。
そこには、草太と、それから・・・前に一度だけ見た悠斗の彼女。
ベッドの向こう側にいる二人の顔はこちらからよく見えた。
彼女は、泣いていた。
なぜ?